あるべきところにない状態。例えば水が干上がった沢のようなものです。太陽は覆い隠され、悪人が立派な人の邪魔をします。正しいことを言ってもうまくいきません。おとなしく過ごし、時期を待ちましょう。
沢水困の運勢は凶です。
「願い事」:叶わない。タイミングを待つしかない。
「商売」:うまくいかない。タイミングを待つしかない。
「相場」:低迷する。
「受験」:だめ。
「病気」:重症が続く。回復するのを気長に待つ。
「就職」:しばらくだめ。
「恋愛」:周囲の反対にあい失敗。
「天気」:荒天。
「旅行」:やめるべき。トラブルに遭う。
「開業」:やめるべき。
「転職、転居」:やめるべき。
「失物」:見つからない。
「方角」:西、北
沢水困の概要
「困」は困るということですが、字を見ると木が枠にはめられた状態です。これは門限のために扉を通行止めにしたことを表しています。また、木が枠の中で自由に成長できない様子とも見えます。
ですので、この卦は邪魔にあい、身動きが取れない状況に陥ることを表しています。四大難卦の一つに数えられており、何をしてもうまくいきませんし、助けを求めても見苦しさが際立ってしまいます。
沢水困の爻辞
困は享る。貞なれば大人は吉にして咎め無し。云うこと有るも信ぜられず。
彖に曰く、困は剛おおわるるなり。険をもってよろこび、苦しみてそのとおるところを失わず、それただ君子のみか。
貞なれば大人は吉とは、剛中をもってなり。云うこと有るも信ぜられずとは、口をたっとべばすなはち窮すなり
象に曰く、沢の水無きは困なり。君子はもって命を致し志を遂ぐ。
初六。臀株木(しゅぼく)に困(くる)しむ。幽谷に入りて、三歳までみず。
象に曰く、幽谷に入るとは、幽にして明らかならざればなり。
九二。酒食(しゅし)に困しむ。朱ふつまさに来たらんとす。もって享祀するに利(よ)ろし。征(ゆ)くときは凶なり。咎なし。
象に曰く、酒食に困しむとは、中にして慶(よろこび)あるなり。
六三。石に困しみ、しつりに拠(よ)る。その宮に入りて、その妻を見ず。凶なり。
象に曰く、しつりに拠るときは、剛に乗るなり。その宮に入りて、その妻を見ずとは、不祥なるなり。
九四。来ること徐徐たり。金車に困しむ。吝なれども終りあり。
象に曰く、来ること徐徐たりとは、志下にあるなり。位に当たらずといえども、与(くみ)するものあるなり。
九五。鼻切られ足切られ、赤ふつに困しむ。すなはち徐(おもむろ)に説(よろこび)あり。もって祭祀するに利ろし。
象に曰く、鼻切られ足切らるとは、志いまだ得ざるなり。すなはち徐に説ありとは、中直なるをもってなり。
もって祭祀するに利ろしとは、福を受くるなり。
上六。葛るいにげつごつに困しむ。ここに動けば悔あり。悔ゆることありて征けば吉なり。
象に曰く、葛るいに困しむとは、いまだ当たらざるなり。動けば悔あり、悔ゆることあれば吉なりとは、行けばなり。
沢水困の爻辞解説
「初爻変爻」:トラブルを打開しようと動いてもうまく行かないでしょう。耐えるしかありません。
「二爻変爻」:悪い状況から脱出できないのが続いてます。のんびり酒でも飲みながら待てば、そのうち事態が動くかもしれません。
「三爻変爻」:進むことも引くこともできず、大いに苦しみます。これ以上悪くならないように対応しましょう。
「四爻変爻」:状況が良くなったかのように感じますが、油断大敵です。まだまだ苦難は続きます。
「五爻変爻」:まだ危ないものの、ここで状況を打開する糸口を見つけましょう。
「六爻変爻」:動いて後悔することもあるかもしれませんが、最終的に状況を打開できます。
今は正しい人が悪人によって動きを遮られており、実力のある人が愚かな人によって虐げられています。悪いのはあなたではありませんが、正論は役に立たず身に危険が及んでいます。味方と思っていた人もあてにはならないため、動かず耐えるしかないでしょう。
とは言え、このままじっとしているだけでは何もせぬまま死んでしまいます。それくらいなら多少の危険は顧みず、しっかりと準備と対策を立てた上で困難からの脱出を図るべきです。しかしこれは凡人にはなかなか難しいでしょう。
このような状況の中で正しい道を歩み続けられるのは、立派な人物ということになります。