調子が良い時ほど、この状態がいつまでも続くと思ってはいけません。一転下降状態に入る危険性と隣り合わせです。上り竜の状態に油断せずに、謙虚な気持ちを持ってことに臨みましょう。
水雷屯の運勢は凶です。
「願い事」:最終的には叶うが、困難があるため我慢が必要。
「商売」:苦労する。タイミングが重要。
「相場」:動きなし。
「受験」:良くない。
「病気」:長引くため、しっかり養生すること。
「就職」:決まらない。タイミングを待つべし。
「天気」:雨のち晴れ
「旅行」:苦労するためタイミングを改めて。
「開業」:今はやめたほうが良い。
「転職、転居」:今ではない。
「失物」:なくなってすぐ探せば見つかる。時間がたったものは希望薄。
「方角」:北、東
「色」:灰色
水雷屯の概要
「屯(ちゅん)」は物事の始まりを意味します。漢字の形は植物の種子から根が出て地中に伸び、芽が出て地表に出る状態を表現しています。
地中にしても地表にしても進路が土でふさがっているため、道を進むには大変な苦労が必要です。ですので、「屯」は4大難卦の一つに数えられています。しかし、進んでいけば必ず運勢が拓けてくるため、初志貫徹し、たゆまぬ努力をする必要があるというメッセージが込められています。新しい物事を始めるにあたっては周囲への根回し、動き出す時期を慎重に行う必要があります。
水雷屯の爻辞
屯は元(おお)いに亨(とお)りて、貞(ただ)しきに利(よ)ろし。
往くところあるに、用うるなかれ。候を建つるに利(よ)ろし。
彖に曰く、屯は剛柔はじめて交わりて難生じ、険中に動くなり。
大いに亨(とお)りて貞なるは、雷雨の動き満盈(まんえい)すればなり。
天造草昧、よろしく候を建つべくして、いまだ寧(やす)からず。
象に曰く、雲雷は屯なり。君子もって経綸す。
初九。磐桓(はんかん)たり。貞に居るに利(よ)ろし。
磐桓(はんかん)すといえども、志は正を行うなり。貴をもって賤に下る、大いに民を得るなり。
六二。屯如たり、てん如たり、馬に乗りて班如たり。寇するにあらず、婚媾せんとす。
女子貞にして字(あざな)せず、十年にしてすなわち字す。
六二の難は、剛に乗ればなり。十年にしてすなわち字すとは、常に反(かえ)るなり。
六三。鹿に即(つ)くに虞なく、ただ林中に入る。君子は兆しを見て止むにしかず。行けば吝なり。
鹿に即(つ)くに虞なしとは、もって禽(えもの)に従うなり。君子はこれを止む。
行けば吝なりとは、窮すべければなり。
六四。馬に乗りて班如たり。婚媾を求めて行けば、吉にしてよろしからざるなし。
求めて行くは、明らかなるなり。
九五。そのめぐみを屯(とどこお)らす。小貞なれば吉、大貞なれば凶なり。
そのめぐみを屯(とどこお)らすとは、施すこといまだ大いならざるなり。
上六。馬に乗りて班如たり。泣血漣如たり。
泣血漣如たり、なんぞ長かるべけんや。
水雷屯の爻辞解説
「初爻変爻」:今は動くべきではありません。無理して物事を進めてもいいことはなく危険ばかり。
「二爻変爻」:進むか止まるかの選択をする場面では、止まるべき。
「三爻変爻」:勢いで右も左もわからない場面に飛び込んでしまい困難に見舞われます。間違えたと思ったら極力早く軌道修正をしましょう。
「四爻変爻」:判断に迷うことがあれば、他人に従ったほうが良いです。
「五爻変爻」:実力に不安があるものの、背伸びをしなければうまくいきそうです。無理は禁物。
「六爻変爻」:全てがどん底の苦しみの中にあります。とはいえ、ここからは運勢が上がるはずです。
「屯」は物事を始めるときの産みの苦しみを表しています。種子から出た目が地表に出ようとして土を突き破ろうとする様子です。地表にも芽の間は踏みつけられたり霜にやられたりと困難が待ち受けています。しかし、蒔かれた種子は目を出し、困難を乗り越え、成長し花を咲かせ実をつける宿命にあります。
さらに、人間においても赤ちゃんが生まれるときは、母親の体外に出るために赤ちゃん自身大変な苦しみがあるようです。生まれたのちは、虚弱な肉体に病気や怪我の危険が付きまといます。しかしそれを乗り越えて成長していかなければなりません。
このように何か新しいことを始める時というのは困難が伴います。邪魔や手違いだらけで嫌になってしまうかもしれませんが、躊躇してはいけません。初めからうまくいくわけがないので、試練を成長のための機会だと思い努力をすることが必要なのです。
躊躇せず進むべきですが、危険が多いのは間違い無いので、周囲への根回しや体制を整えることを怠ってはいけません。特に新規事業を始める際、新しく組織を立ち上げる際などに、信頼できる人物を配置する等は必須です。また、基本理念や方針といった、組織を運営する上での基本的なところもしっかり確立することも大切です。