母なる大地を敬うような姿勢を大切にしましょう。生命を生み出す大いなる力を感じ、とにかく従い謙虚に過ごすことです。
坤為地の運勢は中吉です。
「願い事」:急いてはだめだが、長期的に取り組めば成就する。
「商売」:タイミングを待つべき。
「相場」:長期保有予定ならよし。
「受験」:まあまあ。
「病気」:長期化するも致命的ではない。
「就職」:だめ。タイミングを見て。
「天気」:長雨に振られる。
「旅行」:自分が主催でなければ良い。主催ならやめたほうが良い。
「開業」:やめたほうがよい。
「転職、転居」:今ではない。
「失物」:見つけるのは難しい。
「方角」:西南
「色」:灰色
坤為地の概要
「坤(こん)」は大地を表す卦で、上下ともに全て陰です。天を表す陽の「乾」とは対照的に、「坤」は人に従う姿勢、自分からは動かない姿勢が推奨されます。
坤為地の爻辞
坤は元(おお)いに亨(とお)る。牝馬の貞に利(よ)ろし。
君子往くところあるに、先んずれば迷い、後るれば主を得。
西南には朋を得、東北には朋を喪うに利。貞に安んずれば吉なり。
彖に曰く、至れるかな坤元、万物資(と)りて生ず。すなわち順(したが)いて天を承(う)く。
坤は厚くして物を載せ、徳は无彊(むきょう)に合し、含弘光大にして、品物ことごとく亨(とお)る。牝馬は地の類、地を行くこと彊(かぎ)りなし。
柔順利貞は、君子の行うところなり。
先んずれば迷いて道を失い、後るれば順(したが)いて常を得。
西南には朋を得とは、すなはち類と行けばなり。東北には朋を喪うとは、すなはち終に慶(よろこ)びあるなり。
貞に安んずるの吉は、地の彊(かぎ)りなきに応ずるなり。
象に曰く、地勢は坤なり。君子もって厚徳をもって物を載す。
初六。霜を履(ふ)みて堅氷至る。
霜を履みて堅氷至るとは、陰の始めて凝(こ)るなり。その道を馴致すれば堅氷に至るなり。
六二。直、方、大なり。習わざれども利(よ)ろしからざるなし。
六二の動は、直にして方なり。習わざれども利ろしからざるなしとは、地道光(おお)いなればなり。
六三。章(あや)を含みて貞にすべし。あるいは王事に従うも、成すことなくして終わり有り。
章を含みて貞にすべしとは、時をもって発せよとなり。あるいは王事に従うとは、知光大なればなり。
六四。嚢(ふくろ)を括(くく)る。咎めもなく、誉もなし。
嚢を括る、咎めなしとは、慎めば害あらざるなり。
六五。黄裳(こうしょう)、元吉なり。
黄裳元吉とは、文(あや)中に在ればなり。
上六。竜野に戦う。その血玄黄(げんこう)なり。
竜野に戦うとは、その道窮(きわ)まればなり。
用九。永く貞(ただ)しきに利(よ)ろし。
用六の永貞は、大をもって終わるなり。
坤為地の爻辞解説
「初爻変爻」:まあ大丈夫だろうと思うような小さな懸念が、後々大きな問題になります。放置せず、厳格に対処しましょう。
「二爻変爻」:直方大という姿勢が推奨されています。実直かつ清廉潔白、公明正大であるべきということです。
「三爻変爻」:自分の力をひけらかさず、じっと目立たぬようにしておきましょう。
「四爻変爻」:主張したい気持ちを抑えて、自分の志や得意なことなどは黙っておいた方が良いです。
「五爻変爻」:人の話をよく聞きましょう。
「六爻変爻」:「坤」は目立たず動かずが吉の卦ですが、積極的に動いた結果、トラブルに見舞われます。
「霜を踏みて堅氷いたる」というフレーズが出てきますが、これは庭で霜を踏めばこれから寒くなる前兆だということがわかるという意味です。ただ霜が降りて風流だなあと詩情を感じているだけだと、気が付いた時には庭中が固い氷に覆われてしまう危険があります。このように物事には前兆があるので、見つけ次第手を打たなければばなりません。
こういった前兆を敏感に察知するためには、毎日を謙虚に繊細な感性を持って過ごす必要があります。目上の人には礼を失わず、後輩や年下に対しても適度な距離感で敬意を持って接する。このような姿勢が様々な予兆を察知する嗅覚を作るのです。
おかしな予兆があればすぐに対策を立て、それを実行に移す必要があります。危険を理解し対策してしまえば、それはもはや危険とは言えません。