勢いがあり、強者が盛んに物事を動かします。力のあるものは正義でなければなりません。身を慎み、正しい道を進むことを心がける必要があります。油断、慢心は大敵です。
雷天大壮の運勢は中吉です。
「願い事」:叶う。油断や慢心により転落する恐れあり。
「商売」:うまくいく。油断や慢心により損害が出る恐れあり。
「相場」:暴騰から暴落と、大きな波乱がある。
「受験」:良い。油断は禁物。
「病気」:回復する。
「就職」:できる。
「恋愛」:叶うが冷静さも大事。
「天気」:晴天。雷鳴だけ響く。
「旅行」:良い。旅先では気を引き締めるべき。
「開業」:良い。注意深く進める。
「転職、転居」:良い。
「失物」:見つからない。
「方角」:南、北東
雷天大壮の概要
「壮」は壮年、強壮、壮士などに用いられ、盛んで強く勢いがあることを表します。それだけだといいことのように感じますが、一方で力が強すぎてコントロールミスで思わぬ事故につながる危険があります。下り坂で勢いのついた車が人に衝突すれば大惨事になるでしょう。それと同じように若さに任せて金に任せて力に任せて暴走すると、大きな失敗が待っています。力を過信した結果、惨事になるのです。ですので、勢いがあることを自覚し、逆に控えめに行動するのがいいという卦なのです。立ち止まることこそが重要です。
雷天大壮の爻辞
大壮は、貞(ただ)しきによろし。
彖に曰く、大壮は、大なる者盛んなるなり。剛にしてもって動く、故に盛んなり。
大壮は貞しきによろしとは、大なるもの正しきなり。
正大にして天地の情見るべし。
象に曰く、雷の天上にあるは大壮なり。君子もって礼にあらざれば履(ふ)まず。
初九:趾(あし)に壮(さか)んなり。征けば凶。孚(まこと)あり。
象に曰く、趾に壮んなりとは、その孚窮まるなり。
九二:貞なれば吉なり。
象に曰く、九二の貞なれば吉なるは、中をもってなり。
九三:小人は壮を用い、君子は罔(もう)を用う。貞なれども厲(あやう)し。羝羊(ていよう)藩(まがき)に触れてその角に苦しむ。
象に曰く、小人は壮を用うれど、君子は罔(な)きなり。
九四:貞なれば吉にして悔亡ぶ。藩決(ひら)けて苦しまず。大輿の輹に壮なり。
象に曰く、藩決(ひら)けて苦しまずとは、往くを尚(たっと)ぶなり。
六五:羊を易に喪(うしな)う。悔なし。
象に曰く、羊を易に喪うとは、位当たらざるなり。
上六:羝羊藩に触れ、退くこと能(あた)わず、遂(すす)むこと能(あた)わず。利(よ)ろしきところなし。艱(くる)しめば吉なり。
象に曰く、退くこと能わず遂むこと能わずとは、詳(つまびら)かならざるなり。艱しめば吉なりとは、咎長からざるなり。
雷天大壮の爻辞解説
「初爻変爻」:無理に進まず、今はまだ静かにしているのが良いでしょう。
「二爻変爻」:まだ動いてはいけません。のんびりしていましょう。
「三爻変爻」:動きたくてたまらなくなりますが、焦ってもいいことはありません。無理に進むと危険が待っています。
「四爻変爻」:今こそ進むタイミングです。運気も上り調子ですが行動は慎重に行いましょう。
「五爻変爻」:堅実慎重を心がけましょう。逃した魚があるかもしれませんが、失っても大して影響がないようなものです。不確定な誘惑に負けず、分相応を心がけましょう。
「六爻変爻」:勢いのままに暴走した結果、身動きが取れなくなりました。まずは退却、立て直しが必要です。新しいことを始めるのは諦めましょう。
羊が勢いよく柵に向かって突進した結果、角がはまって身動きが取れなくなります。力だけでは結局うまくいかないのです。しかし、調子が良い時に冷静にコントロールをできる人は少ないようです。勢いに任せて失敗を繰り返すのが凡人で、結果せっかくの幸運も長続きしません。